2010年11月25日木曜日

[説教要旨]2010/11/21「いのちへの祝福」ルカ21:5-19

聖霊降臨後最終主日・成長感謝礼拝

福音の日課 ルカ 21:5-19 【新約・151頁】

本日は教会の暦の最後の主日となっている。暦の終わりにあたって、聖書は「世の終わり」について思い起こさせる箇所が選ばれている。「世の終わり」というこ とを思うとき、私たちはどうしようもない不安に襲われる。自分の生きている世界が崩壊し、滅びてしまうということは、確かにとてつもなく恐ろしいことである。しかも、そのことに対して、人間の力では全く手の打ちようがないということは、絶望にすらとらわれそうになる。しかし、不安や絶望は、決して私たちにとって、「世の終わり」においてのみ待ち受けているものではない。むしろそれは、私たちの日常の中で、絶えず私たちに襲い来る出来事でもある。その意味で、「世の終わり」に対する不安と絶望は、実は、私たち自身の世界の内側にある恐れでもある。
 しかし、その恐れは、主イエスの十字架と復活によって、決して最後のものでないことが明かとされた。十字架は、この世のあらゆる力は、私たちを滅ぼすことができないことの「しるし」なのである。この地上に作られた命は全て、神によって「良し」とされたものであった(創世記1章)。 神は、その命を祝福し、救うために、主イエスを、そしてその十字架と復活の出来事を私たちに与えられたのである。
 とはいえ私たちは一人では、この地上の恐れと不安に立ち向かうことは容易ではない。十字架に頼りつつ、また信仰の仲間と共にあゆむ時、「命を勝ち取る」ができるのである。

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